必要な理由1：忙し過ぎて疲労がたまる？！
処置が同じ時間に重なる
病院には患者さんが次から次へとやってくるため、同じ時間に何人もの血糖測定や経管栄養などを行わなければならない、などいくつもの処置が重なってしまうことがあります。それ以外にもバイタルサインの測定や鳴り響くナースコールの対応、場合によっては急変対応や緊急入院など予定にないこともどんどん入ってくるためやることが山積みです。だからといって処置の時間が遅くなってしまうと命に関わることになってしまうかもしれないため、必死で山積みになっている仕事をこなすしかないのです。
厳重な確認が必要
看護師の仕事は患者さんの命を左右する重大な仕事です。そのため、やることなすこと、すべてのことに対して厳重に確認していかなければなりません。薬を飲ませる時や点滴をする時など、処置するたびに確認していかなければならないため、ただでさえ山積みの仕事に確認作業が加わりさらに忙しくなってしまいます。ですが、忙しいからと言って手を抜いて確認してしまうと判断を誤ってしまい、患者さんの命を奪ってしまう可能性があります。忙しくても確認は絶対に怠ってはいけません。
通常よりも人数が少ない「夜勤」
夜勤は日勤に比べて人数がぐっと少なくなりますが、やらなければならないことが減るわけではないため日勤よりも忙しく、目が回るほどです。そのため、3交代の場合は1時間、2交代の場合は2時間、と仮眠が決められていても「忙しくてまったく休憩ができない」なんてこともざらにあります。気づいたら20時間以上働いていた、ということも珍しいことではありません。
危険度の高い患者さんの看護
風邪などの軽めの症状の人もいれば手術を終えて集中治療室に入っている人など、患者さんの状態はさまざまです。どの症状の患者さんに対してもしっかり看護しなければなりませんが、特に手術後の患者さんには注意が必要です。なぜなら、術後せん妄といって手術後に一過性の精神的混乱をきたして暴れてしまう患者さんが多いからです。
また、足腰が弱っているにもかかわらず動き回ってしまう認知症の患者さんなど目が離せない人もたくさんいます。病院によっては危険度の高い患者さんにセンサーをつける場合もありますが、センサーが反応するたびに病室に駆けつけなければならないため、その都度、処置が中断されてしまい、さらに忙しくなってしまうのです。
慢性的な人手不足
このような忙しい状況に耐えかねて辞めてしまう看護師も少なくありません。事実、看護師の免許を持っているにもかかわらず看護師として働いていない「潜在看護師」は約70万にものぼるといわれています。
忙しいから疲れ果てて辞めてしまう、されに忙しくなる、耐えかねてまた辞める、といったように、忙しさの負のスパイラルに陥っているのも看護師が忙しくなる理由のひとつです。
